2014年2月24日月曜日

ナノ銀による放射性物質低減実験に関する記事へのインデックス

【追記:2014年2月24日】
ナノ銀(ナノ純銀)による放射性物質低減に関する記事や論文へのインデックスです。
当初は「ナノ銀除染」という言葉を使っていたのですが、「除染」というと、放射性物質を単に別の場所に移したり、濃縮したりする事を示すと誤解されるかもしれないので、次第に使わないようにしました。
【追記終了】

本ブログの記事(実験結果に関するもの)

本ブログの記事(その他)

Cold Fusion Now!に私が投稿した記事(英語)



以降は関連する資料として、他の方々から教えて貰ったりしたものです。
これまでの常温核融合研究の中でも、放射性物質の低減現象が報告されてきた経緯があるようです。

Vortex-l メーリングリスト

Lenr-Carnに収録されたReifenschweiler氏の論文

Reifenschweiler, O., Cold Fusion and Decrease of Tritium Radioactivity, in LENR-CANR.org. 2003.
Cold Fusion and Decrease of Tritium Radioactivity
Otto Reifenschweiler
Retired from Philips Research Laboratories, Eindhoven, The Netherlands. Current actress: Jan Sluytersweg 13, NL-5645 JA
Eindhoven, The Netherlands.
Reifenschweiler, O.  Some Experiments on the Decrease of Radioactivity of Tritium Sorbed by Titanium. in 5th International Conference on Cold Fusion. 1995. Monte-Carlo, Monaco: IMRA Europe, Sophia Antipolis Cedex, France.
Some Experiments on the Decrease of the Radioactivity of Tritium
Sorbed by Titanium
Otto REIFENSCHWEILER
Philips Research Laboratories, Eindhoven, The Netherlands 
Reifenschweiler, O., Reduced radioactivity of tritium in small titanium particles. Phys. Lett. A, 1994. 184: p. 149.
Reduced radioactivity of tritium in small titanium particles
Otto Reifenschweiler 1,2
Work carried out at the Philips Research Laboratories, Eindhoven, The Netherlands
Received 23 November 1993; accepted for publication 7 December 1993 Communicated by A. Lagendijk

Lewis Larsen氏のレポート

  • 以下の資料にトリチウムの「accelerated decay」を示した論文があるとの指摘あり。
http://www.slideshare.net/lewisglarsen/lattice-energy-llc-new-russian-experiments-further-confirm-widomlarsen-theory-of-lenrsjune-13-2013
Overview of their experimental work and theory
Barmina et al. arXiv:1306.0830v1 explained by W-L theory
  • In series of different experiments with laser irradiation (sometimes combined with electrolysis) of hydride-forming metallic targets immersed in D2O, Barmina et al. claim to have observed both production and so-called “accelerated decay” of Tritium
  • If correct, their claimed detection of significant amounts of radioactive Tritium production is an extremely interesting experimental result because over the past 24 years, out of the hundreds of thousands of LENR experiments conducted, literally only a handful have ever claimed to observe Tritium as a measurable nuclear product
  • In separate very recent publications (2012, 2013), Barmina et al. claim to have developed a theory which can explain all their experimental data; their theoretical approach includes ‘new nuclear physics’ and exotic concepts such as a so-called “in-shake-up” nuclear state that enables production of new bound di-/tri-neutron particles
  • Presuming that their experimental data are shown to have been correctly measured and results are successfully repeated by other independent researchers, their reported data provides further confirmation of Widom-Larsen theory of LENRs in a type of laser-based LENR experimental system pioneered by Letts & Cravens (USA) ca. 2002 - 2003
以上

2014年2月23日日曜日

ナノ銀による放射性セシウム汚染土壌の放射線低減現象の報告について

以前にも報じた通り、去る1月30日に、高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)で行われた研究会「放射線検出器とその応用」 (第28回)で、岩崎信博士がナノ銀による放射線低減現象の報告が行われました。(発見者の阿部宣男博士の名前からこの現象は「Abe-Effect」と命名されています)
題名は、「4-5 nm粒径銀粒子による土壌中セシウム放射線低減現象 −初期の線量計測定データを中心に−」でした。

前回は予稿集もPDFで公開されていたのですが、今回はまだ公開されていないので、紙で貰った予稿集の内容と聴講した時の記憶にしたがって記事を書いています。

このブログでは既に何度も紹介していますが、ナノ銀粒子(平均4〜5nm)を担持したコラーゲン液を土壌に噴霧・滴下すると土壌中の残留ガンマ線量が直接的にかなりの程度に低下するという未知の現象についての探求の報告です。前回の研究会で衝撃的なデータが報告されましたが、今回もその改良版の実験結果について軽く報告がありました。以下、予稿集から引用します。

■引用開始
2013年7月に別の密封対照試料を用いた検証実験を終え、肯定的結果をある論文誌速報に投稿し、掲載可の連絡を12月に受けている。その主眼は、前報の主としてU9容器を用いた土壌実験の若干の懸念、即ちセシウム線源分布の試料内変動、体積変化、自己遮蔽効果等が示す見かけのγ線強度の変化(低減)の大きさを、できるだけ厚さの薄い密閉容器にして最小化し、かつ毎回試料容器を上下反転させた一組:表(蓋が上の通常位置)/裏(底が上の上下反転位置)の測定をして上記の諸効果の最大値を見積りながら、これらを平均して相殺させ、殆どあり得ない容器外への揮発・飛散効果の最小化も目指した。その上で、ナノ銀担持あり・なしのコラーゲン液滴下による対照試料実験にて有意な差を確認した。
■引用終了

昨年、岩崎先生にお会いして話を伺った際にも、「こういう放射線計測では上下反転が意外に影響を与える。そういった考慮まで含めて実験の精度を上げたい。」という趣旨の発言をされていたので、まさにそういった改善を施した実験を行われたのだと思います。論文の掲載が楽しみです。

さて、上記も重要な話題なのですが、今回の報告の中心は2011年5月から11月にかけて阿部博士が行った放射線量の測定値に対する考察でした。阿部博士は、この不思議な現象に気付いた後、3種類の土壌に対してナノ銀滴下実験を行なっており、実験体系や測定に課題はあったものの、今では計測できない非常に貴重なデータとなっています。

測定方法

  • 土壌は3種類:(A)はホタル生態環境館の雨樋下の土壌、(B)と(C)は福島県内の同じ自治体内の別の場所の土壌。
  • 土壌を約20グラムにとりわけ、均一になるように撹拌し、市販ポリエチレン製円筒形タッパー(容器外形54mm)に入れ、ならして蓋をして計測対象とする。
  • 最初に初期値を測定。
  • (A)、(B)には、20ppmのナノ銀コラーゲン溶液を噴霧。
  • (C)には、ナノ銀担持タルク水(UFS-TP300)20ppmを噴霧。
  • その後、毎日ほぼ定時に一回、線量を測定、記録。

課題

  • バックグラウンド放射線を測定していない。
  • 対照系を測定していない。
  • 測定時点では放射性セシウムだけでなく、半減期の短い放射性ヨウ素の減衰があった可能性がある。


この測定結果が以下のグラフです。

如何でしょうか。
縦軸が対数軸になっている事にご注意ください。ある程度で減衰が緩やかになるようですが、前半部分はかなり綺麗な指数関数的な減衰傾向を示しているように見えます。また、特に(C)試料では、減衰率が非常に大きく、当初の100分の1以下まで減衰しているのも興味深い点です。最近の土壌実験では、ここまで減衰していない事から、セシウムが土壌成分と結合しない間の方が減衰効果が大きいのではないかと思えます(私見)。
幾つか課題のある測定だったので、この値を正しいとして定量的な評価をするのは不適当ですが、それでも本来非常に長い半減期を持つはずなのに、急速に減衰している様子は大きな意味を持つと思います。

何度も書いていることですが、これらの実験結果は学術的にも重大で、しかも我々の環境から放射性物質を少なくするのに使える可能性を持っています。この結果を見て興味を持たれた研究者には、是非追試をお願いしたいと思います。

以上




ナノプラチナによるセシウムの濃縮

これは常温核融合や核変換の話題では無いのですが、面白いと思ったのでメモしておきます。
Eu-BS(ユービス)社では、ナノ「白金」を用いて、花粉のアレルゲンを不活化したり、抗菌作用を持たせたりする技術を開発しているとのこと。

http://eu-bs.jp/development/

このナノプラチナの応用の一つとして、放射性セシウムの除染が挙げられています。以下のようにセシウムを取り込んで、大きな結晶にしてしまい、濃縮率を上げる技術のようです。以下、引用です。
5.白金のセシウムとの結晶化
白金ナノ粒子はセシウム、ヨウ素を捕捉して化合物Cs2PtI6となり、下図のような大きな結晶が形成されることを発見しました(静岡大学工学部教授・立岡浩一教授との共同研究)。白金ナノ粒子が大変効率よくセシウムを捕捉して、濃縮できるのです。

以上

ホスト金属中でのクーロン障壁について

先日の研究会「放射線検出器とその応用」 (第28回)で岩崎信博士がナノ銀による放射線低減効果について発表された際に、最近の物理学の教科書に常温での核変換を示唆するような記述があったと紹介されていました。

内容を全く理解できない専門書だったので、該当部分だけ図書館でコピーしてきました。以下、岩崎信博士が言及されていた部分の引用です。注目すべき部分は、「近年実験が行われている物質中(ホスト金属中など)で起こる場合は、クーロンポテンシャルは、点電荷同士のクーロンポテンシャル<式>からずれ、トンネル効果が起こりやすくなる。」との文章です。金属中では、クーロン障壁をくぐり抜けられる状態が出現することを理論的に裏付けているように思いました(全く自信なし)。

http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-13778-1/

現代物理学[基礎シリーズ] 8 原子核物理学
A5/256ページ/2013年04月25日
ISBN978-4-254-13778-1 C3342 定価3,990円(税込)
滝川昇 著

P27〜
[余談4]遮蔽効果への応用
1.4節で太陽中の核反応に関して学んだように、中性子を入射粒子あるいは標的とする反応を除けば、極低エネルギーの核反応は、長距離のクーロン力がつくるポテンシャル障壁(クーロン障壁)を透過する量子トンネル効果で起こる。核反応が、元素誕生に係る天体中あるいは近年実験が行われている物質中(ホスト金属中など)で起こる場合は、クーロンポテンシャルは、点電荷同士のクーロンポテンシャル<式>からずれ、トンネル効果が起こりやすくなる。これは、標的核や入射核によって、天体中ではプラズマ状態にある荷電粒子の密度分布が、また、物質中では例えば金属中の自由電子の密度分布が変化することによって、クーロンポテンシャルが遮蔽されるためである。

注:<式>の所には、元の文書では数式が書かれています。

以上

Neopowertech社のヘリウム3生成特許

vortex-lメーリングリストに面白い特許の紹介が載っていたのでメモっておきます。


ヘリウム3を水素付加された金属格子で生成する方法、とでも訳せる題名がついています(「レッド・フュージョン」と呼んでいます)。
Method for producing helium-3 using a hydrogenated lattice (red fusion)
US 20130329844 A1 - Publication date Dec 12, 2013
以下は特許の中に載っている写真の一つです。なんだか立派なマシンです。
アブストラクトは以下でも読めます。重水素プラズマをイオン化された水素とリチウムの金属格子の中で反応させてヘリウム3を作る・・と言っているようです。常温での核変換ですね。

この特許を出願した、Edbertho博士は、どうやらNeopowertech社というベンチャーを起こしているようですが、Webページはいい加減で、論文リストのページしか出てませんでした。



以上

2014年2月17日月曜日

大政龍晋社長の自叙伝に放射性セシウムをプラチナに変換するとの記載

オオマサガスや攪拌振動に関連する不思議な現象の発明者/発見者である日本テクノ株式会社の大政龍晋社長の自叙伝が刊行されるようです。以下の記事で紹介されています。

Inventor Dr.Ohmasa wrote a book “The Man Who Is Changing the World”


注目すべきは、その目次と裏表紙写真です。目次に「放射性セシウムをプラチナに変換し、無害化に成功」とあり、その内容が語られているようです。また、裏表紙の写真には、「放射性セシウムを無害化しプラチナやバリウムに変換・生成する」とあり、「塩化カルシウムの元素変換[20日間連続処理]の写真」とキャプションの付いた写真が載っています。

おそらくは、「水の改質方法」という特許で示された、攪拌振動による核変換の主張を放射性物質に適用したのではないかと想像します。今まで具体的なデータは公開されてこなかったので、この本で何かしらデータが出てくるのを期待しています。3月上旬発売との事で、予約方法は冒頭のページに記してあります。

以下、目次を引用します(赤字は引用者による)。
目次

はじめに

プロローグ

第一章 苦学して起業した青年時代
生い立ちと、貧しかった家庭
広島への原爆投下を目撃
将来について考える
工業高校へ進学
将来について悩む
就職活動
市役所勤務と大学合格
大学卒業と転職
会社内での苦境と退職
起業をする
創業間もないころの苦労
クレーム処理の大変な思い出
事業の拡大と失敗

第二章 振動エネルギーを流体エネルギーに変換した、世界初の振動撹拌機の発明
振動モーターとの出会い
振動モーターで撹拌機を作る
思わぬアクシデント
振動撹拌機の特殊な能力
博士の学位取得と受賞歴

第三章 水からできた究極のクリーンエネルギー、「OHMASA―GAS」の誕生
ブラウンガスとの出会い
OHMASA―GASの誕生
OHMASA―GASとブラウンガスの主要な相違点
OHMASA―GASのメリット

第四章 地球温暖化の主因、二酸化炭素を強力な新燃料に!
二酸化炭素を、燃やす(新燃料)
袋小路に入っている現在の温暖化対策
発明は和音のようなもの
温暖化対策のための真の技術

第五章 医療の大革命、「活性医学」の道にも可能性を見せる中性電解水(αトリノ水)
の発明
中性電解水を発明
αトリノ水の驚異的な効果
αトリノ水が実現する活性医学

第六章 放射性セシウムをプラチナに変換し、無害化に成功
思いつきで元素変換をする
元素変換の歴史
生物学的元素転換
部屋の中で元素変換を実現
福島の汚染水を無害化する
振動撹拌と電気分解で発生するナノ・マイクロの成功
元素変換による放射能無害化技術
放射能無害化技術と歴史の必然
人類と原子力
原子力発電の始まり
アメリカ合衆国とローマ帝国
人間と技術と自然
岡潔先生の説く日本のこころ
放射能無害化技術が日本で発明された意味

終わりに

【参考】
キャビテーションによって常温核融合を起こせるのではないか、という主張は他の企業や研究者からも提示されており、非常に有望な方法の一つではないかと思っています。関連する記事を挙げておきます。

http://amateur-lenr.blogspot.jp/2014/01/nanospire.html
NanoSpire社のキャビテーションによる過剰熱と常温核変換

http://amateur-lenr.blogspot.jp/2012/06/blog-post.html
キャビテーションとバブル核融合

以上